「足がパンパンでツラい!」というように、妊娠中に「むくみ(浮腫み)」がひどくて大変な思いをしているママも多いようです。
このページでは、妊婦さんのむくみの原因のことや、むくみ解消のための食事テクニック、そして、むくみ解消に役立つ食べ物一覧を総まとめでご紹介します。
そもそも「むくみ(浮腫み)」とは?どんな症状?
むくみは妊娠中に限らず誰にでも起こりうる現象の一つで、血液循環が悪化することによって起こります。人間の身体の60~70%は水分で構成されていて、その多くは血液中または細胞内に存在しています。
血液中の水分が血管の外に染み出てしまい、それが吸収されずに細胞間に溜まってしまうことで、いわゆる「むくんでいる」状態になります。
水分は重力で下がるため、特に足に症状が出やすくなります。よく「足がパンパンになる」という表現をしますね。夜寝るときに足の位置を少し高くしておくと、朝目覚めたときには足がスッキリしていた、という体験をしたことのある方も多いでしょう。
※妊婦さんの場合、妊娠中毒症の症状の1つでもあるため、症状が重いときには主治医に相談してみましょう。
妊娠するとむくみやすくなる!その理由とは?
妊娠するとホルモンバランスが急激に変化しますので、その過程でむくみが起きやすくなります。妊娠中のむくみの原因はさまざまで、血液量の増加にともなう水分量の増加であったり、子宮に下半身が圧迫されることによる「血流やリンパの流れの悪化」であったり、塩分の過剰摂取、運動不足、身体の冷えなども原因として数えられます。
妊娠をキッカケにむくんだ場合は、妊婦さん特有の生理現象のため、出産後は少しずつ解消されてきます。
妊娠中のむくみ対策は食事・食べ物から!
妊娠中のむくみ対策・解消方法の1つが、ウォーキングなどの軽い運動であったり、マッサージやストレッチ、ツボ押しなど、身体に刺激を与えるものです。新陳代謝を促進させたり、血流を良くする効果が期待できるので、むくみ解消に役立つのは間違いありません。
また、着圧ソックスを履いたり、サプリメントや漢方に頼るという方法もあります。
身体を動かすことは大切ですので、無理のない程度に取り組んでみるのはオススメですが、妊婦さんにとっては継続的なセルフケアが難しく感じる場合もあるでしょう。グッズや薬に頼るのも抵抗があるかもしれません。
その点、どんな妊婦さんでも食事は毎日のことですから、まずは食事によるむくみ対策を実践してみてはいかがでしょうか。食事の改善は、おなかの赤ちゃんにとっても有益でしょう。
次に、むくみ対策のための食事テクニックについてご紹介します。
妊娠中のむくみ対策のための食事テクニック
塩分の摂りすぎに注意すること
塩分は体内でナトリウムとなりますが、ナトリウムは水分を取り込む性質があるため、塩分を摂りすぎるとむくみやすくなります。お塩・醤油・味噌などは和食の基本的な調味料ですが、いつもよりも控えめにすることを意識しましょう。
コツとしては「お酢やレモンなどの酸味」「出汁などの旨味」「香辛料」「薬味」などを塩分の代わりに使うことです。薄味でも美味しいと感じられるようになるでしょう。
水分補給をしっかりと!
「むくみ=余分な水分」なので、むくみ解消のために水分をなるべく控えようとするママの気持ちはよく分かりますが、実は勘違いしている部分があります。人体には適切な水分の割合があって、それを維持するためのシステムが備わっています。水分が足りなければ喉が渇くし、摂りすぎれば尿として排泄されます。
水分補給は「排尿」を促すので、摂り過ぎたナトリウムの排出に効果的です。
もちろん、「ガブガブ一気飲みする」というような過剰摂取はオススメしませんが、こまめに少しずつしっかりと飲むことを心がけましょう。
厚生労働省のHPにおいても、次のような資料が掲載されていますね。
食事から1リットル、飲み水から1.2リットル。
少なくともこのくらいの水分量は摂取することが大切です。
カリウムの摂取でナトリウムを排泄!
塩分(ナトリウム)には水を溜め込む性質がありましたが、カリウムには摂り過ぎたナトリウムの尿中への排せつを促進する働きがあります。他にも、血圧を安定させたり、筋肉の働きをコントロールしてくれる作用もあります。
妊娠中のむくみが気になる場合は、カリウムを多く含む食品を積極的に食べるようにしましょう。(※腎臓が悪い人はカリウムの摂り過ぎで不整脈を起こすことがあるので要注意です。)
カリウムが豊富!妊娠中のむくみ解消に役立つ食べ物・食材まとめ
野菜類 | ほうれん草・豆苗・トマト・えだまめ・かぼちゃ・カリフラワー・かんぴょう・ごぼう・小松菜・きゅうり・しし唐・春菊・そらまめ・たけのこ・菜の花・にら・ニンジン・ブロッコリー・モロヘイヤなど |
きのこ類 | えのきたけ・キクラゲ・しめじ・なめこ・マッシュルームなど |
果物類 | リンゴ・アボカド・干しいちじく・干し柿・キウイ・バナナ・レーズン・メロンなど |
海藻類 | わかめ・こんぶ・てんぐさ(寒天・ところてんなど)・ひじき・めかぶなど |
穀類類 | 玄米・大麦・オートミール・ライ麦・雑穀など |
いも類 | さつま芋・里芋・山芋・じゃが芋など |
豆類 | 枝豆・いんげん豆・大豆製品(納豆など)・あずきなど |
魚介類 | あじ・いわし・しらす・かつお・鮭・さば・さわら・たい・ブリ・ホタテ・えび・イカなど |
肉類 | 牛もも肉・牛ヒレ・豚もも肉・豚ロース肉・豚ヒレ肉など |
種実類 | アーモンド・マカダミアナッツ・くるみ・栗・ごま・ピスタチオ・落花生など |
飲み物 | ルイボスティー・トマトジュースなど |
このようにカリウムは多くの食材に含まれているので、実際にはあまり不足することはありません。尿と一緒に排出されますから、普通に食事をしていて過剰摂取はありませんのでご安心ください。
カリウムは茹でるとお湯に溶け出てしまうので、加熱する場合は蒸す方がオススメです。肉類や豆類はカロリーが高いものも多いので、食べ過ぎには気を付けましょう。
妊娠中の過剰体重増加で子どもが肥満児になるという報告がありますので↓
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妊娠中は食事で「むくみ」対策をしていきましょう!
以上、妊婦さんのむくみの原因のことや、むくみ解消のための食事テクニック、むくみ解消に役立つ食べ物一覧などご紹介しました。
妊娠中のむくみ対策のために、しっかりと水分補給をしつつ、塩分を控えめにし、カリウムを含む食べ物・食材を多めに取り入れるようにしましょう。
「足がパンパンでツラい!」という妊婦さんは、ぜひ実践してみてくださいね。