妊婦さんの中には…
「今、妊娠中だけど鯛めしって食べても大丈夫?」
「魚には水銀が含まれるから妊娠中はよくないって聞くけど…」
という疑問をお持ちの方も多いようです。
結論を言えば、鯛めしは妊娠中でも安心して食べることができますが、使用する鯛の種類によっては水銀量に注意する必要があります。
ここでは、妊婦さんがより安心して鯛めしを食べれるよう、鯛めしでどんな種類の鯛が使われるのか?水銀量はどのくらいなのか?など、お話ししていきます。
そもそも鯛めしとはどんな料理?
鯛めし(たいめし)は鯛とご飯を組み合わせた日本料理の1つで、愛媛県の郷土料理として知られています。
日本一の真鯛(マダイ)の生産量を誇り、鯛めしの本場である愛媛県では、地域によって大きく2つの食べ方に分類されます。
1つは、松山市を中心とした中予~東予地方の鯛めし。
焼いた鯛を昆布だしでふっくら炊き込んだ「松山鯛めし」です。
もう1つは、宇和島市を中心にした南予地方の鯛めし。
生卵入りのタレに漬けた鯛のお刺身を、タレごと温かいご飯にかける「宇和島鯛めし」です。
一般的に私たちがイメージする鯛めしは、炊き込み型の「松山鯛めし」でしょう。
お茶をかけて鯛茶漬けにしても美味しいです。
鯛めしではどんな種類の鯛が使われている?
鯛めしで使用する魚は「真鯛(マダイ)」であることが多いですが、
・黄鯛(キダイ)
・甘鯛(アマダイ)
・黒鯛(クロダイ)
・糸縒鯛(イトヨリダイ)
・金目鯛(キンメダイ)
などなどの、他の種類の鯛が使用されることもあります。
鯛めしの鯛の水銀量は?使用する鯛によっては妊婦さんは要注意!
『妊娠中には魚に注意しましょう!』と言われるのは、魚に含まれる水銀(メチル水銀)がお腹の中の赤ちゃんに悪影響を及ぼすからです。
水銀が多く含まれる魚については、食べる量を控えるよう注意喚起されています。
主に鯛めしで使用する「真鯛(マダイ)」の水銀量は次の通りです。
総水銀 μg/g | メチル水銀 μg/g | |
真鯛(マダイ) | 0.116 | 0.133 |
この数値は厚生労働省のホームページで公開されている「特に注意が必要でないもの」と同レベルとなります。「特に注意が必要でないもの」の水銀・メチル水銀の平均値は次の通り↓
総水銀 μg/g | メチル水銀 μg/g | |
キハダ | 0.179 | 0.177 |
ビンナガ | 0.237 | 0.164 |
メジマグロ | 0.158 | 0.185 |
ツナ缶 | 0.114 | 0.109 |
サケ(鮭) | 0.027 | |
アジ(鯵) | 0.040 | |
サバ(鯖) | 0.104 | 0.073 |
イワシ(鰯) | 0.018 | |
サンマ(秋刀魚) | 0.058 | |
ブリ(鰤) | 0.153 | 0.197 |
カツオ(鰹) | 0.154 | |
真鯛(マダイ) | 0.116 | 0.133 |
このように真鯛の水銀量は低いので、真鯛の鯛めしであれば妊婦さんも水銀量を気にせず食べることができるでしょう。
金目鯛(キンメダイ)には要注意!黄鯛(キダイ)にはプチ注意!
多くの鯛類は真鯛(マダイ)と同じく水銀量が低いので、安心して鯛めしとして食べることができます。
しかし、金目鯛(キンメダイ)と黄鯛(キダイ)については、厚生労働省の資料『これからママになるあなたへ』にて「注意が必要なお魚」として紹介されています。
(1週間当たり80g程度)
(1週間当たり160g程度)
という制限がありますので、鯛めしに金目鯛や黄鯛を使用する場合には、食べる量に気を付けましょう。
基本的には真鯛の鯛めしを食べれば安心だといえます。
鯛めしの寄生虫や食中毒の心配について
上記にて、鯛めしの食べ方は
・お刺身型の「宇和島鯛めし」
の2種類あるとご説明しました。
一般的に私たちがイメージしている炊き込み型の鯛めしであれば、火を通すので寄生虫や食中毒の心配はいりません。
しかし、お刺身型の場合は、生食となりますから、寄生虫や食中毒のリスクは少なからずあります。
とはいえ、妊娠中の魚の生食は絶対にNGというわけではありません。
厚生労働省の資料『これからママになるあなたへ』でも、妊娠中の食事としてお刺身の画像が普通に掲載されていますので。
ただ、お刺身型の「宇和島鯛めし」の場合、生卵が使用されていることにも注意が必要です。
生卵にはサルモネラ菌による食中毒リスクがあります。
非妊娠時であれば特に問題ないかもしれませんが、妊娠中だと免疫力が低下するために、食中毒にもなりやすくなります。
ですので、妊婦さんはお刺身型の「宇和島鯛めし」は控えることをオススメします。
まとめ:妊娠中は炊き込み型の鯛めしを美味しく食べましょう
以上、「妊婦さんと鯛めし」というテーマにて、お話しをさせていただきました。
・真鯛は水銀量も低く、妊娠中でも安心して食べることができる。
・金目鯛(キンメダイ)と黄鯛(キダイ)は水銀量が少し多いので要注意!
・鯛めしには炊き込み型とお刺身型の2種類がある。
・お刺身型は生食であり生卵を使用するので妊婦さんには控えて欲しい。
・炊き込み型であれば寄生虫や食中毒リスクもなくて安心。
というお話でしたね。
妊娠中はバランスの良い食生活がとても大切になります。魚は栄養素が豊富なので、水銀量の低い魚であれば、妊娠中には積極的に食べたい食材の1つです。
『真鯛(マダイ)の炊き込み型の鯛めし』はその条件を満たすので、ぜひ積極的に美味しく食べていただけたらと思います。
妊娠中のお魚のことなら、次の記事も参考になるでしょう。
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