「今、妊娠中だけど生しらすは食べちゃいけない?釜揚げしらすなら良かった?」
「しらすの水銀量って大丈夫だっけ?」
など、妊娠中に生しらす・釜揚げしらすなど『しらす』を食べたくなったけど、食べても大丈夫かわからなくて不安に思っている妊婦さんも多いようです。
そこで今回は、妊娠中にしらすを食べても大丈夫なのか?生しらすは生ものだからやめるべきなのか?水銀量は大丈夫なのか?など、【妊婦さんと(生)しらす】についてお話ししていきます。
結論!妊婦さんは生しらす・釜揚げしらすを食べても大丈夫!
まず最初に結論を言いますと、妊娠中は生しらす・釜揚げしらすにかかわらず『しらす』を食べても大丈夫です!水銀量もとくに心配する必要はありません。
ただ、生しらすは鮮度が命の魚です。
足が早くすぐに悪くなるため、スーパーなどでは釜揚げしらす等が流通しているわけです。
ですので、妊婦さんが生しらすを食べたいなら、新鮮な状態であることが必須条件になります。鮮度の面で安心できるお店で食べるようにしましょう。
「妊娠中としらす」というテーマにて、さらに詳しく解説していきます。
そもそも「しらす」ってどんな魚?
そもそも「しらす」がどんな魚なのか知らない人も多いようです。
しらすとは身体が透明な白い稚魚(鮎・ウナギ・イワシ・ニシン・イカナゴなど)の総称のことです。
現在、一般的に「しらす」として売られているのは、主にカタクチイワシの稚魚です。他にも、マイワシやウルメイワシの稚魚もしらすとして流通していますが、量としてはカタクチイワシの稚魚が最も多いです。
しらすは主に次の4タイプに分類されます。
2.ほどよい塩加減、釜で炊き上げたのが「釜揚げしらす」
3.釜揚げしらすを天日干しにしたのが「中干ししらす」
(太白ちりめん・太白・やわ干し・やわ乾・しらす・しらす干し・普通干しなど呼び方はいろいろ)
4.中干ししらすをさらによく干したのが「ちりめんじゃこ」
(上干ちりめん・ちりめん・かちりなど呼び方はいろいろ)
それぞれ何時間乾燥させているのかについては、具体的な定義はないようです。
簡単ではありますが、しらすについて説明しました。
主にカタクチイワシの稚魚ということを知らなかった人も多いかもしれませんね。
それでは次に、生しらすの水銀量について見ていきます。
しらすの水銀量は?妊娠中も安心できる?
厚生労働省の資料(魚介類に含まれる水銀の調査結果)では、さまざまな魚介類において、総水銀及びメチル水銀についての数値が公開されています。
そこに「特に注意が必要でない」とされる魚と水銀量について、次のように書かれています。
総水銀 μg/g | メチル水銀 μg/g | |
キハダ | 0.179 | 0.177 |
ビンナガ | 0.237 | 0.164 |
メジマグロ | 0.158 | 0.185 |
ツナ缶 | 0.114 | 0.109 |
サケ(鮭) | 0.027 | |
アジ(鯵) | 0.040 | |
サバ(鯖) | 0.104 | 0.073 |
イワシ(鰯) | 0.018 | |
サンマ(秋刀魚) | 0.058 | |
タイ類(鯛) | 0.093 | 0.067 |
ブリ(鰤) | 0.153 | 0.197 |
カツオ(鰹) | 0.154 |
このようにイワシ(鰯)は妊娠中でも食べても良い魚に分類されています。それぞれのイワシの水銀量は次のように書かれています。
イワシの水銀(メチル水銀)の数値は?
総水銀 μg/g | メチル水銀 μg/g | |
カタクチイワシ | 0.121 | |
ウルメイワシ | 0.063 | |
マイワシ | 0.025 |
「妊娠中には魚の水銀量に気をつけましょう」とよく言われますが、それはメチル水銀が胎児に悪影響を及ぼすからです。
カタクチイワシ、マイワシ、ウルメイワシには、どれもメチル水銀が含まれていませんし、水銀量もとても少ないです。稚魚であるしらすの場合、さらに水銀量は少なくなるでしょう。
ですので、妊娠中であっても、しらすの水銀量はあまり気にする必要はありません。
妊婦さんと魚と水銀のことは次の記事に詳しく書いたので、良かったらご参照くださいませ。
妊娠をキッカケに「赤ちゃんのために食事に気を付けないと!」と、食事に注意を払うようになる人はとても多いです。妊婦さんが食事関連で気を付けるべきことはたくさんありますが、その中の1つに「魚介類」があります。ポイントは「水銀」。[…]
しらす自体は妊娠中に食べることを推奨されている!?
そもそも一般的に多くの女性はカルシウムが不足がちなのですが、妊娠中は胎児の骨や歯を作るためにより多くのカルシウムが必要なので、余計にカルシウム不足になりやすいです。
その点、しらすは骨も含めて丸ごと魚体を摂取できるので、栄養価も高くカルシウムが豊富。
妊婦さんにはうってつけの魚だと言えるでしょう。
他にも、たんぱく質やビタミンD、ビタミンB12、マグネシウム、タウリン、カリウム、鉄、亜鉛など多くの栄養がしらすには含まれています。
ただ、注意点としては「釜揚げしらす、しらす干し、ちりめん」などは塩を使うので、塩分がそれなりに高くなります。
妊娠中に塩分を摂りすぎるとむくみや高血圧になりやすく、妊娠高血圧症候群をおこす危険があります。
「妊娠中は塩分は控えめに」と言われるのはそのためです。
ですので、栄養が豊富だからといって、しらすを毎日大量に食べるなど、偏った食事には注意しましょう。
生しらすでも大丈夫?妊娠中は控えるべき?
妊娠中は抵抗力が落ちやすく食中毒になりやすいため「生ものは控えめに」と注意喚起されていますが、「生ものが絶対にダメ!」ということではありません。
厚生労働省のホームページに魚と水銀のことが書かれていますが、普通にお刺身の画像が掲載されているので、お刺身などの生ものでも食べても良いと考えられます。
この画像のように、お刺身が普通に記載されていますから、生しらすも新鮮なものを食べるなら問題ないでしょう。
ただ、しらすは足が早く、鮮度の劣化がしやすいお魚です。
だから一般のスーパーなどでは、「釜揚げしらす、しらす干し、ちりめん」という形で加工されたものが販売されています。
くれぐれも鮮度という点で信頼できるお店を選ぶことを忘れないで下さい。
まとめ
以上、妊娠中に生しらすを食べての大丈夫なのか、という点について説明させていただきました。
一般的に「しらす」は、カタクチイワシ・マイワシ・ウルメイワシの稚魚で、それぞれ水銀量は低い数値ですので、妊婦さんでも安心して食べることができます。
カルシウムやビタミンD、ビタミンB12など、妊娠中に得たい栄養素が豊富に含まれているので、むしろ妊婦さんにはぜひ積極的に食べて欲しいお魚なんですね。
生しらす丼など、生で食べたい場合は、鮮度の面で安心できるお店で食べましょう。新鮮なものであれば食べても大丈夫です。
当記事がご参考になれば幸いです。