一般的に私たちが一番よく見かける鯛が『真鯛(マダイ)』であり、妊婦さんにも人気のあるお魚ですが・・・
「妊娠中だけど真鯛って食べて大丈夫?水銀の心配はない?」
「真鯛のお寿司やお刺身って食べて問題ない?生ものはやっぱりダメ?」
のような疑問をお持ちの方はとても多いです。
まず最初に結論を言うと、真鯛は妊娠中でも安心して食べることのできる魚です。お刺身やお寿司、カルパッチョなどの生食も可能です。
しかし、少なからず食中毒や寄生虫のリスクはあるので、食べる際に注意して欲しいポイントはあります。
ここでは、妊婦さんが安心して真鯛を食べれるよう・・・
・水銀量はどのくらいなのか?
・生食によるリスクはあるのか?
・何に注意すべきなのか?
など、『妊婦さんと真鯛』というテーマにてお話ししていきます。
そもそも真鯛(マダイ)はどんな魚?
真鯛は日本では重要な食用魚で、「鯛」といえば狭義には真鯛を指します。鯛の外見的な特徴は、薄い赤紫色をはらんだ淡い桜色で、側面には瑠璃色の斑点があります。
旬は3月~4月の桜の季節であるため、その時期の真鯛は「桜鯛」と呼ばれて重宝されています。旬の真鯛は脂がのっており舌触りがなめらか、歯ごたえもしっかりしており、お刺身としての食べ方が人気です。
日本では鯛と「目出度い(めでたい)」をかけて、慶祝事や神道の祭において欠かせない高級食材とされてきました。
真鯛の水銀量はどのくらい?妊娠中でも安心して食べれる?
『妊娠中には魚の水銀量に注意しよう!』と言われているのは、魚に含まれる水銀(メチル水銀)が胎児に悪影響を及ぼすからです。
水銀が多く含まれる魚については、食べる量を控えるよう注意喚起されています。
お魚と水銀については次の記事で解説しています。
妊娠をキッカケに「赤ちゃんのために食事に気を付けないと!」と、食事に注意を払うようになる人はとても多いです。妊婦さんが食事関連で気を付けるべきことはたくさんありますが、その中の1つに「魚介類」があります。ポイントは「水銀」。[…]
「真鯛(マダイ)」の水銀量は次の通りです。
総水銀 μg/g | メチル水銀 μg/g | |
真鯛(マダイ) | 0.116 | 0.133 |
この水銀量の数値は厚生労働省ホームページで公開されている「特に注意が必要でないもの」と同じレベルとなります。「特に注意が必要でないもの」の水銀量は次の通りです。
総水銀 μg/g | メチル水銀 μg/g | |
キハダ | 0.179 | 0.177 |
ビンナガ | 0.237 | 0.164 |
メジマグロ | 0.158 | 0.185 |
ツナ缶 | 0.114 | 0.109 |
サケ(鮭) | 0.027 | |
アジ(鯵) | 0.040 | |
サバ(鯖) | 0.104 | 0.073 |
イワシ(鰯) | 0.018 | |
サンマ(秋刀魚) | 0.058 | |
ブリ(鰤) | 0.153 | 0.197 |
カツオ(鰹) | 0.154 | |
真鯛(マダイ) | 0.116 | 0.133 |
このように真鯛の水銀量は「特に注意が必要でないもの」と同等ですので、妊娠中であっても安心して食べることができるでしょう。
真鯛はお刺身やお寿司など生で食べても大丈夫?
真鯛、とくに旬の真鯛である「桜鯛」はお刺身で食べたら絶品ですから、お刺身やお寿司、カルパッチョなど、生で食べたい妊婦さんも多いでしょう。
まず、妊娠中に魚を生で食べること自体については絶対NGではありません。
厚生労働省のホームページでも妊娠中の食事(魚)について、お刺身が描かれています。
出典:mhlw.go.jp
ですので、妊婦さんがお刺身を食べても問題はありませんが、妊娠中はどうしても抵抗力が下がり食中毒にかかりやすくなるため、『妊娠中に魚を生で食べる場合はあくまで自己責任で』と注意されています。
真鯛をお刺身やお寿司などで食べたい場合は・・・
・寄生虫などに注意する
・信頼できるお店で食べる
などのポイントを押さえた上で、食べるようにしましょう。
真鯛の寄生虫の心配について
魚を生で食べる上で、食中毒の原因となる大きな要素の1つが寄生虫です。
真鯛に寄生虫はいるのでしょうか?
魚の寄生虫として有名なのがアニサキスですが、真鯛にアニサキスが寄生する可能性はとても低いです。アニサキスが寄生している魚は、アニサキスが寄生したイワシをエサにしていることが多いようですが、真鯛は主にエビやカニを食べるため、アニサキスの寄生率は低くなっています。
とはいえ天然の真鯛では約5%くらいの確率で内臓に寄生しているそうです。
養殖の真鯛であれば、エサは人工飼料を使っていますので、アニサキスが寄生する確率は極めて低いです。海での養殖なので100%ではありませんが、養殖真鯛にアニサキスはほぼいない!と考えて良いでしょう。
妊娠中に真鯛を生で食べたい場合は、寄生虫の見極めができるプロの料理人がいるお店がオススメ。また、ス●ローなどの大手チェーンは養殖モノが基本ですし、一度冷凍することで寄生虫対策をしているので安心かもしれません。
真鯛のオススメの食べ方ベスト5
真鯛のお刺身
真鯛のお刺身は定番の真鯛料理です。真鯛の皮は硬めのため、皮を取り除いて出されるのがオーソドックスですが、皮目に旨味の脂が一番あるので皮を活かした湯霜造りや焼き霜造りも人気です。
真鯛の煮付け
真鯛の食べ方といえば、煮付けも代表的です。上品な真鯛の旨味を堪能できます。甘辛のタレが染み込み、ご飯のお供としてもピッタリでしょう。
真鯛の塩焼き
出典:cookpad.com
魚の食べ方としてシンプルにして王道な塩焼きは、真鯛にもピッタリ合います。真鯛の甘味を存分に引き立たせるためにも、精製塩ではなく、天然塩を使用するこをオススメします。
真鯛のカルパッチョ
出典:kirin.co.jp
真鯛の洋風のお刺身であるカルパッチョ。淡白な味わいの真鯛と鮮やかな野菜と爽やかなドレッシングのコラボを楽しむことができます。見栄えもするお洒落な1品です。
鯛めし
妊婦さんと鯛めしについては次の記事が参考になります。
妊婦さんの中には…「今、妊娠中だけど鯛めしって食べても大丈夫?」「魚には水銀が含まれるから妊娠中はよくないって聞くけど…」という疑問をお持ちの方も多いようです。結論を言えば、鯛めしは妊娠中でも安心して食べるこ[…]
真鯛は小骨が少なく上品な味わい。炊き込みご飯にすると、最上級の味わいになります。素焼きもしくは塩焼きにしてからご飯と炊くのがオススメ。日本一の真鯛の生産量を誇る愛媛県の郷土料理として知られています。
真鯛は妊婦さんも安心!いろんなレシピで美味しく食べましょう
以上、妊婦さんと真鯛というテーマにてお話しさせていただきました。
真鯛は水銀量も少なく妊娠中でも安心して食べることができます。お刺身やお寿司、カルパッチョなど生食でも問題ありません。
寄生虫や食中毒のリスクの少ない魚ではありますが、完全にゼロとは言えません。
生で食べる場合には『あくまで自己責任の上で』と理解した上で・・・
・どちらかといえば養殖モノを選ぶ。
・天然モノでも注意すれば大丈夫。
・信頼できる飲食店で食べるのが一番安心。
というポイントは意識して欲しいところです。
真鯛は生食の他にも、塩焼き、鯛めし、煮付け、ムニエル、アクアパッツァ、など食べ方のバリエーションが豊富ですから、ぜひいろいろなレシピを試して下さい。