「妊娠中だけどキハダマグロは食べても大丈夫?
「マグロは水銀量が多いって聞くけど、キハダマグロはどうなの?」
「キハダマグロはお刺身で食べてもいいの?」
など、水銀のこと・刺身などの生食の観点で『キハダマグロを食べて大丈夫かどうか?』を心配されている妊婦さんも多いようです。
先に結論を言ってしまうと、
今回は、妊娠中に安心してキハダマグロを食べれるよう、【妊婦とキハダマグロ】というテーマにて詳しくお話ししていきます。
そもそも「キハダマグロ」ってどんな魚?マグロとは違う?
妊娠中にキハダマグロを食べて良いのかどうか?を考える上で、まずはキハダマグロがどんな魚なのかを知っておきましょう。
キハダマグロは背ビレや尾ビレが黄色いために、その名前が付けられました。
他のマグロと比べて成長が早いため、マグロの中でも一番多く捕獲されています。
特徴的なのはその色と味わい。
マグロというと一般的には赤身の魚を思い浮かべますが、キハダマグロは薄いピンク色です。
脂肪分が少なくあっさりとした味わい。
酸味があまりなく、ほどよい甘味があって後味の良い魚です。
このような味の特徴から、関西圏ではキハダマグロが人気でポピュラーです。
生食で利用されることが多いですが、ツナの缶詰の材料としてもよく使われています。
キハダマグロの水銀量は?妊娠中も安心?
「妊娠中は魚の水銀に気をつけましょう」と言われるのは、魚に含まれるメチル水銀が胎児に悪影響を及ぼすからです。
特に、マグロは水銀量が多い魚と言われているので、キハダマグロの水銀量も心配になるかもしれません。
しかし、キハダマグロの水銀量はわりと低い数値であり、厚生労働省の資料では「特に注意が必要でない魚」として紹介されています。
キハダマグロを含めた「特に注意が必要でない魚」の水銀量は次の通りです。
総水銀 μg/g | メチル水銀 μg/g | |
キハダ | 0.179 | 0.177 |
ブリ(鰤) | 0.153 | 0.197 |
ビンナガ | 0.237 | 0.164 |
メジマグロ | 0.158 | 0.185 |
ツナ缶 | 0.114 | 0.109 |
サケ(鮭) | 0.027 | |
アジ(鯵) | 0.040 | |
サバ(鯖) | 0.104 | 0.073 |
イワシ(鰯) | 0.018 | |
サンマ(秋刀魚) | 0.058 | |
タイ類(鯛) | 0.093 | 0.067 |
カツオ(鰹) | 0.154 |
このようにキハダマグロの水銀量は低いので、妊娠中でも安心して食べることができるでしょう。
厚生労働省のHPでも次のように書かれています。
マグロの中でも、キハダ、ビンナガ、メジマグロ、ツナ缶詰については、水銀含有量が低いことから、妊婦であっても通常の摂食で差し支えありませんので、バランス良く摂食してください。
参照:妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項の見直しについて
魚と水銀のことは『妊娠中に気を付けたい魚(16種)と水銀の話&妊婦さんOKの魚40選まとめ』でも解説していますので、良かったらご一読下さい。
キハダマグロは栄養豊富!妊娠中にぜひ食べて欲しいお魚。
キハダマグロの赤味は脂質が少ないので、高タンパク&低カロリーな魚です。
脂質は少ないのですが、DHAやEPAを多く含んでいます。
<100gあたり>カロリー106kcal、脂質0.4g、タンパク質24g、ナトリウム43mg、カルシウム5mg、鉄分2mgを含んでいます。
カルシウムや鉄分を多く含んでいるので、これらの栄養素が不足しやすい妊娠中にはピッタリの魚だと言えるでしょう。
妊婦はキハダマグロを刺身で食べても大丈夫?
妊娠中は免疫力が低下しているため、妊娠前に比べて食中毒にかかりやすくなっています。
そのため「生モノは控えめに」と注意喚起されていますが「生モノが絶対NG!」ということではありません。
厚生労働省の資料『これからママになるあなたへ』にて魚と水銀のことが書かれていますが、マグロの刺身の画像が掲載されているので、お刺身で食べても問題ないと考えられます。
ただ、キハダマグロにはヒスタミンによる食中毒の可能性があります。
ヒスタミン食中毒は、ヒスタミンを大量に含む食品を食べることにより起こる食中毒で、アレルギーのような症状を起こすのが特徴。
キハダマグロには、ヒスチジンというアミノ酸が多く含まれていますが、
・長期保存
などの結果、ヒスチジンからヒスタミンが産生され、それを食べることでヒスタミン食中毒になってしまうのです。
食中毒リスクを避けるためにも『新鮮なものを早く食べること』は徹底したいところです。
信頼できるお店で食べるのが一番安心かもしれません。
キハダマグロの食べ方オススメ3選!
キハダマグロの刺身
キハダマグロはあっさりとした味で、ほどよい甘味があり、刺身にして食べるのがポピュラーです。
関西では特に人気があります。
キハダマグロのたたき
表面を焼くことで香ばしさが増します。
にんにく、ねぎなどを合わせたり、ポン酢をかけるなども美味しいです。
御飯のおかずにピッタリですね。
キハダマグロのカルパッチョ
出来るだけ薄く切り、玉ねぎなどの香りや辛みのある野菜などを加えたカルパッチョ。
キハダマグロのあっさりした味わいとドレッシング、オリーブオイルのバランスが絶品です。
(画像出典:zukan-bouz.com)
まとめ:妊娠中も安心してキハダマグロを食べましょう!
以上、『妊婦さんとキハダマグロ』というテーマにてご紹介しました。
キハダマグロは水銀量が低く『特に注意が必要でない魚』という位置づけであり、妊娠中でも安心して食べることができます。
キハダマグロの特徴は、脂肪分が少なくあっさりとした味わいであること。
そのため、お刺身やたたきなどの生食の食べ方が人気ですが、食中毒のリスクも少なからずあることは知っておきましょう。
食中毒リスクを避けるためにも、もし生食でキハダマグロを食べたいなら、新鮮なものを新鮮なうちに食べるようにしましょう。
信頼できるお店で食べるのが一番安心かもしれませんね。
キハダマグロはカルシウムや鉄分も多く、妊娠中にはとってもオススメのお魚ですので、ぜひ妊婦ごはんの食材の1つとして食べていただけたらと思います。