妊娠中にカンパチを食べてしまって、「カンパチってけっこう大きな魚だったし、水銀の量とか大丈夫かな?」と心配になる妊婦さんもいるようです。
また、妊娠中にどうしてもカンパチのお刺身やお寿司を食べたくなって、「カンパチ食べても大丈夫?生でも大丈夫かな?」とモヤモヤしている人も多くいるようです。
そこで今回は、
・水銀量的にどうなのか?
・お刺身やお寿司で食べても大丈夫なのか?
などなど、詳しくご説明します。
結論!妊婦さんはカンパチを安心して食べて良い!
まず、結論からいいますと、妊娠中にカンパチを食べるのは全くもって問題ありません。
よっぽど「毎日大量にカンパチばかり食べる!」のような偏りがないのであれば、食べる量の制限についても気にしなくても良いでしょう。気を付ければ、お寿司やお刺身など生食でも大丈夫です。
その理由を説明していきますね。
カンパチの水銀(メチル水銀)の数値はどのくらい?
なぜ魚の水銀に気をつけるべきなのか?簡単に復習しよう
まず、一般的に「妊娠中は魚に気をつけよう!」といわれる理由の1つが水銀(メチル水銀)にあります。
多くの魚には水銀が含まれますが、それを母親が食べることで、胎盤を通してお腹の中の赤ちゃんに水銀が届いてしまいます。
赤ちゃんは自力で水銀を体外に排泄できません。
急速に発達する時期で感受性も高いです。
そのため水銀による脳の発達への影響が懸念されるということでした。
妊娠をキッカケに「赤ちゃんのために食事に気を付けないと!」と、食事に注意を払うようになる人はとても多いです。妊婦さんが食事関連で気を付けるべきことはたくさんありますが、その中の1つに「魚介類」があります。ポイントは「水銀」。[…]
カンパチの水銀(メチル水銀)の数値は?
総水銀 μg/g | メチル水銀 μg/g | |
カンパチ(間八) | 0.121 | 0.156 |
特に注意が必要でない水銀(メチル水銀)の数値は?
厚生労働省のホームページで公開されている「特に注意が必要でない」とされる魚の水銀量は次の通りです。
総水銀 μg/g | メチル水銀 μg/g | |
キハダ | 0.179 | 0.177 |
ビンナガ | 0.237 | 0.164 |
メジマグロ | 0.158 | 0.185 |
ツナ缶 | 0.114 | 0.109 |
サケ(鮭) | 0.027 | |
アジ(鯵) | 0.040 | |
サバ(鯖) | 0.104 | 0.073 |
イワシ(鰯) | 0.018 | |
サンマ(秋刀魚) | 0.058 | |
タイ類(鯛) | 0.093 | 0.067 |
ブリ(鰤) | 0.153 | 0.197 |
カツオ(鰹) | 0.154 |
比較して一目瞭然、カンパチの水銀量は「特に注意が必要でない」とされる魚と同レベルだとわかるでしょう。
つまり、よっぽど「毎日大量にカンパチばかり食べる!」のような偏りがないのであれば普通に食べてもらって大丈夫だということです。
妊娠中にカンパチをお寿司やお刺身で食べても大丈夫?
カンパチの食べ方といえば、やはりお寿司やお刺身が人気です。妊娠中は食の好みが偏るケースも多く、「お寿司が食べたくて食べたくてしょうがない!」という状態になる妊婦さんもいます。
まず、基本的には、カンパチをお寿司やお刺身などの生食で食べても問題はありません。
厚生労働省のホームページにて、魚と水銀のことが書かれているページがありますが、普通にお刺身の画像が掲載されていることからも、お刺身が絶対にNGというわけではないのです。
出典:mhlw.go.jp
なぜ、妊娠中は生ものを我慢するべきと言われるのかと言えば、「食あたり(食中毒)になったら困るから」ですが、新鮮なものを食べている限りは大丈夫でしょう。
カンパチに寄生虫の心配はない?
魚に寄生する寄生虫として有名なのが「アニサキス」です。「カンパチに寄生虫がいたら生食は危ないよね?」とご心配になるかもしれません。
ただ、スーパーやチェーンの回転寿司などのカンパチに、アニサキスが寄生している可能性は、ほぼゼロに近いそうです。
ポイントは「天然」か「養殖」かにあります。
アニサキスは基本的に魚が食べるエサに含まれるので、養殖もののカンパチであれば心配ありません。そして、スーパーやチェーンの回転寿司においてあるのは、ほぼほぼ養殖もののカンパチとのこと。
天然ものの場合、もしかしたらアニサキスがいる可能性はあるようです。
販売する側もプロなので、アニサキスなどの寄生虫には目を尖らせているので大丈夫だとは思いますが、もし心配であれば養殖もののカンパチを選ぶようにしましょう。
火を通したカンパチであれば妊婦さんも安心・安全♪
妊娠中にカンパチを生で食べても問題ありませんし、実際に普通に食べている妊婦さんもたくさんいます。
ただ、産婦人科医や看護師さんの立場からすると…
というスタンスですから、「もしかしたら」「万が一」と思うのであれば、火を通した調理法を選択することをオススメします。
塩焼き、しゃぶしゃぶ、煮つけ、照り焼きなど、カンパチにもいろいろな食べ方がありますよ。
特にしゃぶしゃぶは人気のようです。
昆布だしなどの鍋を仕立てて、しゃぶしゃぶして食べると、余計な脂が落ちてサッパリ美味しいと評判です。
妊婦さんは新鮮な養殖もののカンパチを食べましょう!
まとめると
・常識の範囲内であれば水銀の心配は必要なし。
・お寿司やお刺身などの生食で食べても大丈夫。
・寄生虫のことを考えるなら養殖ものを選ぶこと。
・スーパーやチェーンの回転寿司はほぼ養殖もの。
・心配なのであれば火を通したものを食べること。
カンパチはとっても美味しく、水銀量についても安心できるお魚です。
妊娠中もぜひカンパチを食べていただけたらと思います。